2026年1月下旬、CME(COMEX)の銀先物で証拠金(マージン)が引き上げられました。
具体的には、銀先物(SI)の最低証拠金が 9%から11%へ上昇しています。
こうした証拠金変更は相場の方向性を決める材料ではありませんが、短期的にはポジション整理を促し、値動きが荒くなる要因になり得ます。
YouTube解説:
そもそも「証拠金(マージン)」とは?
先物取引では、ポジションを建てる際に証拠金(Performance Bond)という担保金が必要になります。
- Initial(当初証拠金):新規ポジションを建てるために必要
- Maintenance(維持証拠金):ポジションを維持するために必要
またCMEでは、リスクが高いと判断される参加者に対してHRP(Heightened Risk Profile)という区分が適用され、より厳しい証拠金が設定される場合があります。
今回の変更内容(9%→11%)
今回の変更点は非常にシンプルです。
- COMEX銀先物(SI) Non-HRP:9% → 11%
- HRP側:当初 9.9% → 12.1%
- 維持証拠金:9% → 11%
資料上は「2026年1月28日の取引終了後から有効」とされています。
なおMiniやE-miniなどの派生商品も同じ方向で引き上げが行われています。
これまでの引き上げの経緯(時系列)
今回だけ突然11%になったわけではなく、段階的な流れがあります。
① 年末:証拠金引き上げの告知
2025年末の時点で、銀を含む複数商品で証拠金の引き上げが告知されています。
② 1月中旬:「想定元本の%」方式へ整理
2026年1月中旬には、証拠金の計算方式がより明確に「想定元本(notional)に対する%」ベースへ整理されました。
③ 今回:%そのものを9%→11%へ引き上げ
そして今回、その割合自体が引き上げられた形になります。
影響は?ショートは「二重にきつい」局面がある
証拠金引き上げはロング・ショート両方に影響します。
ただし今回のように「想定元本の◯%方式」の場合、価格が上昇するほど必要証拠金も増える仕組みです。
そのため上昇局面でショートを持っていると、
- 価格上昇で含み損が増える
- 同時に想定元本が増え、必要証拠金も増える
つまり含み損+証拠金増加の二重苦になりやすい点が重要です。
短期的にはレバレッジ勢の整理が進み、値動きが荒くなる場面も想定されます。
よくある誤解:「相場操作」ではなくリスク管理措置
証拠金引き上げがあると「ショート潰しでは?」という声も出ますが、これだけで断定はできません。
基本的には清算機関が値動きの大きさに備えるためのリスク管理措置と考えるのが自然です。
また「スクイーズが終わるかどうか」も、この変更だけで判断はできません。
投資家が次に見るべきポイント
今回の変更を受けて、次の指標をセットで見るのが有効です。
- 建玉(OI):未決済ポジションが整理されているか
- 出来高:ポジション調整が起きているか
- 期限間スプレッド:期近逼迫の温度感
- 他市場との比較:一時的整理か需給継続か
まとめ
- CME銀先物で証拠金が9%→11%へ引き上げ
- 年末から方式整理を経て今回さらに引き上げ
- %方式の特徴として、上昇局面のショートは含み損+証拠金増加の二重苦になりやすい
- 次はOI・出来高・スプレッドをセットで確認
今後も銀市場の制度変更や需給の変化は値動きに直結しやすいため、冷静に事実を追っていきましょう。


