CMEが「100オンス銀先物(SIC)」新設:金融決済の意味と投資家が見るべきデータ

コモディティ

CME(COMEXの運営元)が、「100オンス銀先物(SIC)」を新設すると発表しました。上場予定は2026年2月9日(規制審査待ち)です。

今回いちばん大事なポイントは、満期に現物の受け渡しをしない「金融決済(差金決済)」という設計です。SNSでは「現物の銀バー(100オンス)を受け渡すの?」と誤解されやすいので、投資家向けに仕様と見どころを整理します。

YouTube解説:

結論:SICは「小口化」+「金融決済」。現物バー受け渡し型ではない

100オンス銀先物(SIC)は、契約サイズを小さくして参加しやすくした一方、満期に現物の受け渡しは行わず、差金で決済されます。

つまり「100オンスバーを動かす仕組みが新設された」というより、銀の値動きに連動した取引を、より小さい単位で行える枠が増えたニュースです。

100オンス銀先物(SIC)の仕様まとめ

  • 上場予定日:2026年2月9日(規制審査待ち)
  • 上場市場:COMEX
  • 取引コード:SIC(Globex / ClearPort)
  • 契約サイズ:100トロイオンス
  • 決済方式:金融決済(満期の現物受け渡しなし)
  • 価格表示:1トロイオンスあたりのドル・セント
  • 最小価格変動:0.01ドル/オンス
  • 限月:3・5・7・9・12月(最長24か月先まで)
  • 最終取引日:限月前月の第3営業日前
  • 値幅制限:銀先物の関連商品としてサーキットブレーカー対象
  • ブロック取引:最低25枚(15分報告)

既存の銀先物と比べると、SICはどのポジション?

区分 契約サイズ 主な対象 特徴
標準銀先物(SI) 5,000トロイオンス 機関投資家・大口 大きい単位でヘッジや売買がしやすい
Micro Silver 1,000トロイオンス 小口〜中口 標準の1/5サイズ
新設:100オンス銀先物(SIC) 100トロイオンス より小口(リテール) 金融決済(差金決済)。現物受け渡しなし

上場直後は「出来高・板の厚み(流動性)」が安定しにくいことがあります。取引する場合は、スプレッド(売値と買値の差)も含めて取引コストを意識したいところです。

よくある勘違い:「金の100オンス先物(GC)」と同じ発想で見るとズレる

金にも「100オンス」の先物(GC)があるため、銀のSICも同じように見えてしまいますが、決済方式が違います

  • 金(GC, 100oz):ルール上、受け渡し(現物決済)の規定がある契約
  • 銀(SIC, 100oz):金融決済(差金決済)で、満期の現物受け渡しはしない契約

「100オンス」という単位だけで判断すると誤解しやすいので、“現物を動かす契約かどうか”を先に確認するのが大切です。

なぜ今、CMEはSICを出すのか:公式説明のポイント

CMEは背景として、地政学的な不確実性やエネルギー転換を挙げつつ、リテール投資家の分散ニーズの高まりを強調しています。

あわせて、2025年の実績として以下の数字を示しています。

  • Micro Gold:平均日次出来高 301K
  • Micro Silver:平均日次出来高 48K
  • 1-Ounce Gold先物:2025年に600万枚以上取引

さらに、RobinhoodやPlus500USのコメントも並べ、「少ない資本でも銀取引に参加しやすい」という方向性を明確にしています。

投資家目線で読む「CMEの狙い」:3つの見方

ここからは、商品設計と公式説明に照らして、無理のない範囲で整理します。

1)小口の参加を増やし、取引の裾野を広げる

100オンスは名目が直感的で、サイズ調整もしやすい単位です。マイクロ系の取引増を示したうえで新商品を出している流れとも一致します。

2)「現物受け渡し」の議論を増やさず、価格連動ニーズを取り込む

SICは金融決済なので、仕組みとして満期に現物を動かしません。現物需給が注目されやすい局面でも、価格連動の取引ニーズを受け止めやすい設計です。

3)ボラティリティ局面の“受け皿”を用意する

銀は値動きが荒くなりやすく、状況によっては証拠金が引き上げられます。小さい契約があると、参加者がサイズを落としてリスク調整しやすくなります。

次に見るべきチェックリスト(ニュースで終わらせない)

  • SICの出来高・建玉(Open Interest)がどれだけ積み上がるか
  • 既存のSI / Micro Silverから出来高・建玉がシフトするか
  • 証拠金値幅制限(サーキットブレーカー)の運用がどうなるか
  • 上場直後のスプレッド(実質コスト)がどの程度か

注意点:先物は「小口=低リスク」ではない

  • 先物はレバレッジ商品で、想定以上の変動で追証(追加証拠金)が発生することがあります。
  • 金融決済でも損益リスクは同じで、「現物がない=安全」ではありません。
  • 上場直後は流動性が不安定になりやすく、スプレッドが広がると取引コストが増えます。

まとめ

CMEの100オンス銀先物(SIC)は、小口向けかつ金融決済という設計で、参加者の裾野を広げる狙いが読み取りやすい商品です。一方で、現物の受け渡しを前提とする契約ではないため、現物需給の話と混ぜて断定しないことが大切です。

上場後は「出来高・建玉・証拠金・スプレッド」をセットで追い、どの程度マーケットに定着するのかをデータで確認していきましょう。

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