2026年2月、伝説的投資家ジム・ロジャーズが、シンガポールから最新のインタビューに応じました。YouTubeチャンネル「CapitalCosm」が公開したこのインタビューは、SNSで大きな反響を呼んでいます。
世界中で加速する通貨印刷、そして通貨価値の低下。この状況下で、私たちはどう資産を守るべきなのか。ロジャーズが語ったのは、数千年の歴史が証明する資産防衛の原則でした。
本記事では、このインタビューの核心部分を詳しく解説し、批判的視点も含めて多角的に検証していきます。
YouTube解説:
ロジャーズが見る世界経済の現状
止まらない通貨印刷の実態
インタビューの冒頭で、ロジャーズはこう切り出しました。「世界中で巨額の通貨印刷が行われている」。これは単なる警告ではなく、現実の描写です。
2020年のコロナ危機以降、主要国の中央銀行は大規模な金融緩和を実施してきました。アメリカの連邦準備制度は、資産規模を一時9兆ドル近くまで拡大させました。日本銀行も同様に、国債買い入れを継続しています。
ロジャーズが指摘するのは、この流れが止まらないということです。
通貨価値低下への不安が広がる
多くの人がこのリスクに気づき始めています。自国通貨の購買力が落ちていく。貯金の価値が目減りしていく。この不安は、世界中の投資家に共通しています。
ロジャーズはこう語ります。「多くの人々がこの事実を知っていて、通貨価値低下から身を守ろうとしている」
つまり、もはや一部の投資家だけの話ではないということです。
歴史が示す実物資産への逃避
ロジャーズによれば、通貨が価値を失う時、人々が頼ってきたのは常に実物資産でした。
金、銀、銅、ニッケル。そして時には石油や小麦といった商品まで。
「数百年にわたって、人々は身を守る方法を必要としてきた。そこには常に銀と金が含まれていた」
これがロジャーズの核心的なメッセージです。
なぜ金銀なのか?歴史が証明する価値
聖書の時代から続く銀の価値
ロジャーズは、驚くべき歴史的事例を挙げました。
「イエス・キリストは銀30枚で売られた。なぜなら当時でさえ、銀は極めて重要で、極めて価値があったからだ」
この指摘は象徴的です。2000年以上前から、銀は価値の保存手段として認識されていたのです。
金についても同様です。古代エジプト、ローマ帝国、中世ヨーロッパ。あらゆる文明が金を通貨や富の象徴として使ってきました。
金銀が選ばれ続ける4つの理由
重要なのは「なぜ金銀が選ばれ続けてきたか」という理由です。
- 希少性:金銀は採掘量に限りがあり、簡単には増やせません
- 普遍的な価値認識:世界中どこでも、金銀は価値あるものと認められています
- 物理的な耐久性:紙幣は劣化しますが、金銀は何百年でも変質しません
- 独立性:政府や中央銀行の判断に左右されない。これが最も重要かもしれません
現代でも続く歴史的パターン
ロジャーズが指摘するように、通貨が厳しい状況になると、人々は金、銀、ニッケル、銅、そして時には石油や小麦に頼ります。これは投機ではなく、防衛なのです。
実際、2022年から2024年にかけてのインフレ局面では、世界中の投資家が金銀への投資を増やしました。この流れは、まさにロジャーズが語る歴史的パターンの繰り返しと言えます。
ロジャーズ自身の投資スタンス
揺るがない保有姿勢
理論だけではありません。ロジャーズは自身の行動も明確に語っています。
「私は今でも銀を持っている。金も持っている。一つも売っていない」
これは非常に重要な発言です。なぜなら、ロジャーズほどの投資家が売らないということは、長期的な確信を持っているということだからです。
下落時には買い増し
「もし下がったら、私は賢くもっと買えることを願っている」
実際にロジャーズは最近の価格下落時に買い増しをしたそうです。多くの投資家が恐怖で売る局面で、彼は買っているのです。
これは投資の原則「安く買って、高く売る」を実践している証拠です。
次世代への資産継承として
ロジャーズは、いつか自分の子供たちにこの金銀を相続したいと語っています。つまり、数年単位ではなく、世代を超えた資産として金銀を見ているということです。
最も印象的だったのは、彼の明確なメッセージです。「銀を売るな。金を売るな」
冷静な姿勢も忘れない
ただし、ロジャーズは全員に今すぐ買えと言っているわけではありません。
「私は皆が買いに行くべきだと主張しているわけではない。歴史的にこれらが事実だったと言っているだけだ」
この冷静さが、ロジャーズの真骨頂なのです。
批判的視点とリスクも見ておこう
ここまでロジャーズの主張を詳しく見てきましたが、公平を期すために、反対意見やリスクについても触れておく必要があります。
最大のリスクは「タイミング」
確かに歴史的には金銀は価値を保ってきました。しかし、高値で買ってしまった場合、元の価格に戻るまで10年、20年、場合によっては30年以上かかることもあります。
1980年に銀が50ドル近くまで上昇した時に購入した投資家は、その後30年以上も含み損を抱え続けました。この間、他の資産に投資していれば得られたはずのリターンを失ったわけです。
ボラティリティの高さという問題
金銀、特に銀は価格変動が非常に激しい資産です。数ヶ月で30%、40%下落することも珍しくありません。
多くの個人投資家は、この激しい変動に精神的に耐えられず、結局パニック売りしてしまうのです。レバレッジをかけていた場合は、さらに深刻です。
機会コストの問題
過去20年を振り返ると、米国株式市場のS&P500指数は配当再投資を含めれば年平均10%前後のリターンを出してきました。一方、金銀は大きく上昇した年もあれば、停滞した年もあります。
「本当に金銀だけに集中投資するのが最適なのか?」という疑問は当然出てきます。
著名投資家の発言の落とし穴
ロジャーズのような億万長者は、資産の大部分を何十年も寝かせておくことができます。でも、私たち一般の投資家の多くは、数年後に子供の教育資金が必要だったり、住宅購入の頭金が必要だったりします。
投資期間や資金量が全く違うのです。
「永遠に保有」が全員に適しているわけではない
ロジャーズは「子供や孫に相続する」と語っていますが、これは彼の状況だからこそ可能な戦略です。
多くの個人投資家にとって、ある程度のリターンが出たら利益確定することも、合理的な判断になり得ます。
結局、私たちはどう判断すればいいのか
ロジャーズの主張のまとめ
- 世界中で通貨印刷が続き、通貨価値は低下している
- 歴史的に見て、こうした時代に人々が頼ってきたのは金銀などの実物資産だった
- これは聖書の時代から変わらない事実である
- 彼自身は、金銀を保有し続け、売らず、下落時には買い増している
リスクと批判的意見も存在する
一方で、タイミングリスク、高いボラティリティ、機会コスト。そして何より、億万長者の投資戦略が全ての個人投資家に適しているわけではないという現実があります。
重要なのは「あなた自身の状況」
重要なのは、「ロジャーズが正しいか間違っているか」ではなく、「あなた自身の状況と目標に合っているか」です。
もしあなたが通貨価値の長期的な低下を懸念していて、余剰資金があり、10年20年の長期保有ができるなら、ポートフォリオの一部を金銀に配分することは合理的な選択かもしれません。
しかし、短期的なリターンが必要な場合や、価格変動に耐えられない場合は、他の選択肢を検討すべきです。
まとめ:投資判断は慎重に、分散投資を心がけて
投資に絶対はありません。著名投資家の発言も、一つの参考情報として捉え、最終的には自分自身で判断することが大切です。
投資判断は必ず余剰資金で、そして自己責任で行ってください。分散投資を心がけ、無理のない範囲で資産形成を進めていきましょう。
あなたはロジャーズの主張をどう受け止めますか?ぜひコメント欄であなたの意見を聞かせてください。


